2010年5月29日土曜日

昨日今日のニュースから


タイムズスクエア爆破未遂事件:パキスタン軍少佐逮捕
(英テレグラフ 2010/05/27)


パキスタン軍やパキスタン情報部の内部は外からはうかがい知れないほど混乱している。個人個人がどことどうつながっているのかわからない状態のようだ。
アルカイダとつながっている者もいれば、タリバン派もいる。アメリカ派もいるし、中国派もいるという具合だ。
武装ゲリラたちには、軍隊から武器や情報が流れているし、様々な関係が錯綜している。
昔の事を言えば、ソ連がアフガン侵攻をした後、アフガンゲリラ(後の北部同盟で、現政権)を支援したのはアメリカだったが、パキスタンを代理に立てていた。
この時、アメリカは中国からも武器を買って、アフガンゲリラに与えていた。
そして、ソ連退却後、ゲリラ同士で内戦状態になると、今度はタリバンを支援して、アフガンを安定させたのもアメリカだった。
そのアフガンゲリラから、ラムジ・ユセフという男が出て、1993年に貿易センタービルを爆破した。ユセフはアルカイダとも関係していたが、イラクの工作員だった。後の9/11テロの原型となったボジンカ作戦を考えたのもユセフだった。今はアメリカで服役している。
パキスタンは90年代に核武装するが、核技術を提供したのは中国だった。そして、中国とパキスタンの核実験に北朝鮮の技術者も参加していた。北朝鮮の核技術は、ここで習得したのである。
その後、パキスタンは武器の闇市場の国となる。
こういう過程が折り重なって、パキスタンの軍隊や情報機関の内部を複雑なものとしているわけだ。