2011年4月29日金曜日

エネルギーー転換は後の話じゃないのか?

 東日本大震災で福島第一原発が事故を起こし、大変な事態に陥っている。
 それは心底大変な事なのだけれど、だが、だからと言って、これまでほぼ順調に稼働して来たと考えられる福島第一以外の原発も停止させてしまうのは話が違うと思う。
 震災後の復興に電気は必要に決まっている。日本のすべてのパフォーマンスがいい状態なら、それだけ被災地に振り向ける力が大きくなり、復興も早くなる。
 転んだ人の手足を縛って、さあ立ち上がれというような真似はやめて、とりあえずの安全確認ができたら、稼働できる発電所は、火力だろうと水力だろうと、原子力だろうと、すべて稼働させ、電力を供給すべきだ。
 今は手持ちのリソースをすべて使って、難局を乗り切るべき時だと思う。
 そして、もし、エネルギー転換が必要だと、日本の多くの人が思うなら、復興がひと段落した後に十分な議論をし、決定すればいい。今、思いつきであれこれ言ってもはじまらない。もちろん、ここで言っているのは順序としてそうなるという事で、今、エネルギー転換を口にしても悠長な話ではないかというだけだから、いつであっても、エネルギー転換についての話を、したい人はすればいい。それは止めるところではない。
 原子力や火力の代替になるには、まだまだどの技術も時間とお金がかかる。明日にでも使えるものなどないのだ。エネルギー転換をするにしても、当面、原子力や石油を使い続けなければ、空白ができてしまう。
 震災で大きく、深い衝撃を受けている日本を、さらに痛めつけるような事をしてはいけない。
 転換を行うにしても、緩やかに行わねばならないと思う。