ゾンビでロッキー・エリクソンを思い出した。
「昨夜ゾンビと歩いたんだ」という曲をやっている。歌詞はそれだけで、ほぼ馬鹿丸出しなのだが、見た目はとても馬鹿丸出しで、大好きだ。
ロックの歴史に残る歌手で、13階のエレベータというバンドをやっていた。そのバンドは、耳障りの悪い、妙な音のする「楽器」(あんなものを楽器と呼べるならばという、かなり難しい前提を必要とするが)を必ず入れる事で、おそらくコマーシャリズムに反抗を表現していたのだろう(でなければ、まったくの馬鹿か、時流におもねた気取り屋だったか)と思うが、そういう音楽をやっていた。サイケデリックの始祖鳥のひとつという評価が出来るかもしれない。
エリクソンは見た目の悪いサエない爺さんで、格好も良くないが、妙に元気なロックをやる。聞いていて、こんなんでもいいな、楽しいなと感じさせてくれる。
始祖鳥というより、原点と言うべきかもしれない、そして、原点から動いた事がない。原点そのままだったら、原始人とも言えるだろう。サイケデリック・ロックの原始人だ。素晴らしい。
おそらく麻薬漬けの人生だと思うが、生きているようだから丈夫なはずだ。末永く馬鹿ロックをやってもらいたい。手放しで応援している。