2017年7月23日日曜日

イワンの兄弟たち

 共産党は、すでに前世紀に破綻したマルクス主義を今でも信奉(教条と)している政党だが、彼らは自分たちは絶対に正しいと思い込んでいる。また、自分たちは「民主」勢力だと思っている。
 そこで、正しい彼らは、自分たちの意に沿わない事があると、「民主的ではない」と言い始める。
 自民党は、彼らにとっては「民主的」ではないらしく、常に批判の対象となる。
 しかし、自民党は民主主義の手続きを踏んで政権についている。
 共産党は、自民党ではなく、民主主義を批判している事になる。
 だが、共産党の論理だと、自分たちが民主だから、自分たち以外は非民主になる。それだけの話だ。共産党は民主主義も民主主義の正当性を担保する手続きも、どうでもいいと思っている。
 それは、絶対に正しい自分たちを認めない民主主義は、正しい民主ではないからだ。
 では、なぜ共産党が絶対正しいのかというと、マルクス主義の政党だからだ。
 で、なぜマルクス主義が正しいのかというと、ロシア革命で権力を握ったボルシェビキの思想だったからだ。
 それでは結果オーライ、成功体験という話でしかないようだが、実際にそうだった。

 その過程も知らずに、ロシア革命に感動した人たちにとって、レーニンやスターリンは英雄だったのだろう。レーニンからイリイチの名をもらっても、食品屋みたいにしかならないと思ったのだろうか、ヨシフ・ヴィッサリオノヴィッチ・スターリンから名前をとって、子供にヨシフとつけてしまった人もいるらしい。
 イリイチさんも、ヨシフさんも、本当に酷い、ロクでもない人で(支那の毛沢東さんも甲乙つけがたい下の下)、沢山の人を殺し、破壊し、ロシアを惨めな国にし、周辺国を無残な状態にしてしまったのだけれど、成功体験の前には、そんな事は無視して、疑問を持たず、理屈を言わず、ひたすらソビエト・ロシアを信心する事が革命的だった。
 これは共産党に限った話ではなく、新左翼や全共闘も同じで、馬鹿ばかりだった。

 共産党が権力を取ったら、これで最高の民主が達成されたからと選挙を停止し、憲法も停止し、反対する者は警察や自衛隊を使って殺すか収容所に入れ、国民を監視し、差別を作り、固定させ、富は自分たち特権階級で独占し、戦争を起こし・・・といった事になるだろう。ロシアでも、東欧でも、キューバでも、支那でも、例外なく起きた事だ。

 つまり、マルクス主義者は恥を知り、後は黙ってろという事だが、自分たちが間違ってたと認めるだけの能力はないようだ。