2020年11月7日土曜日

左翼反動の時代

 マルクス=レーニン主義と言われるものは、あまりマルクスと関係がなく、レーニン主義だった。スターリン主義と言われるものも、レーニン主義だった。ついでに、トロツキズムと言われるものも、レーニン主義だった。中身としてはスターリンとトロツキーの間にたいした違いはない。

まあ、レーニンのロシア革命横取りが成功するまでは、マルクス主義は物凄くマイナーで、革命運動理論の傍流だった。ロシア革命も、アナーキストの運動があって成功した。レーニンのボルシェビキなんて、スターリンの列車強盗以外は何もしなかった。でも、レーニンがうまいこと革命をぶんどったおかげでマルクス主義が注目されたのだった。

マルクスは資本主義はその矛盾ゆえに最終的には共産主義に向かうしかなくなると考えたが、レーニンは、最終まで待ってないで暴力「革命」でショートカットできるべ(あるいは、できんべ)と考えた。結果は惨憺たるもので、ソビエト連邦はその矛盾ゆえに最終的に崩壊した。

レーニンの間違いは、意図せずしてマルクスの間違いを照らし出した。どういう事かというと、ロシアは救いがたい状態だったのに、大衆、「人民」は動かなかった。ソビエトの崩壊からロシアへの転換はKGB上層部、エリートが計画立案指揮した政策であり、人民は「今日からロシアだから」と言い渡されただけだった。

これは、共産主義に限らず、資本主義でも同じと考えていい。不平不満を煽る左翼に雷同する者たちも少しはいるだろうが、矛盾によって最終に至ることはない。あるいは、ソビエトのように人民は最終を受け入れるだけだ。人民は、今日死ぬよりは、明日までであっても生きる方を選ぶようだ。

マルクスの考えは無意味、あるいは有害だった。(ただし、マルクスよりも同時代には影響力があり、同じく、無意味、ないし有害なアナーキズムなどもあった事は言い添えておこう)

という事で、いくら矛盾があっても、資本主義はだらだらと続く。共産主義に至る契機はない。アナーキズムにも。

(資本主義は閉じている事になるが、あくまでもマルクスから見たらという前提での話だ。共産主義に移行せざるをえないものとして見たら、資本主義は閉じていて、共産主義に向かうことはないが、資本主義が整備され続けて行って、どこかでシンギュラリティを超え、別のものになる可能性については、専門家ではないので何も言えない。経済は、続くにしても、変わるにしても、文明として、つまり、人類が生きるのに都合が良い姿をとるだろう。今のところはまあまあうまく行ってるんじゃないかな)

これは20世紀の終わりにははっきりしていた事だ。だが、これを受け入れられない人たちがいて、今でもレーニンを信奉している。これを反動勢力と呼びたい。左翼は反動だ。

彼らの多くは馬鹿だが、あざ笑うのは別の場所にしよう。動機の真剣さ、初期の自己犠牲は認めてしかるべきだからだ。だが、いくら主観的に真面目で真剣で、身を挺したとしても、それだけでは彼らの迷惑行為、犯罪は容認できない。

結局、やった事は酷かった。殺人、暴行、詐欺、破壊、横領、侵入、強盗、窃盗、脅迫、強要、威嚇、妨害、誹謗中傷、監視、監禁、拉致、誘拐、拷問、権利侵害等々だ。左翼である事がこれを許容する理由になるわけがない。

自分がやっている事を検証する事も出来ず、暴力沙汰を繰り返すのが世の中をよくする事につながらないと理解できない、そういう思考力を喪失する異常さを左翼と呼ぶとしか言えない。

誰だったか、自分たちを「思想犯」だと言っているトンマがいた。日本の法律にそんな犯罪はない。だからそんなので捕まえたら裁判ができないし、捕まえられない。罪状は器物破損とか、暴行とか、不法侵入とかのはずだ。左翼の「思想」などその程度のものだ。

この馬鹿な左翼に加えて、レーニン主義左翼の派生というか、周辺というか、進歩派と言われていたりした系の圏内の諸思潮、環境派が典型的だが、左翼のメニューセットに入っているクラスターがある。

この別名はリベラルだが、リベラルはいつの間にか左翼に乗っ取られてしまったのかもしれない。リベラルは自由主義のはずだが、今では左翼リベラルとしか言いようのないシロモノになった。自由な感じがなく、窮屈そうだ。

これも問題設定が古くて話にならない。とっくに通過しているあたりで問題をつつきまわしている。解決しなくてもいいらしい。リベラルは、左翼が人をたばかる擬態でしかなくなった。左翼リベラルと呼ぶしかない。これも反動である。

自分たち(の陣営)以外の人の自由に敵対し、自分たちがやろうとしない仕事をする人に敵対している。これは自由ではなく、左翼の統制だ。

左翼とリベラルが保守する過去を、彼らの口先を真に受けて「進歩」だなどと取り違えてはいけない。国政で言えば、自民党は改革しようとしているが、左翼野党は保守に血道を上げている。反動の反動たる所以だ。

大阪都構想の住民投票が敗北し、トランプ大統領の再選が阻止されようとしている。愛知県知事リコールも必要な署名数が集まらかなったようだ。嫌な感じが漂っている。

左翼反動が、まだ力を残しているのだろう。少し様子を見てみよう。