2019年7月3日水曜日

算法貫通異表  足したり、掛けたり、政治のあれこれ

 雨の夜、思いついた・・・

 どうしてなのか、選挙の時、与党は従来通り(つまり、足し算)だが、野党だけは得票を掛け算で計算すべきだと言い出し、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、NHK、テレビ朝日、TBSをはじめ、テレビ各社がこれに賛同し、一大キャンペーンが開始される。
 野党議員のあの人は歯茎をむき出しにしていきり立ち、あの人は活舌が悪いままで唾を飛ばしながら持論を繰り返した。
 識者とか言われる人たちは、テレビで野党の味方をし、掛け算に賛成した。
 足し算=保守、掛け算=改革という図式になった。
 自民党議員にもこの騒ぎに動揺する者が現れ、一部が野党に合流した。

 学校の算数のテストに足し算の問題が出されたが、これを拒否し、掛け算で回答する新聞記者の息子が出現し、話題となった。
 教員でも、足し算を教えない者、掛け算が正しいと教える者が続出する。

 野党はありとあらゆる法案を人質にして国会審議を停止させる戦術に出る。掛け算改革法を成立させるなら、他は全部容認するが、掛け算を認めないなら、今後、どのような法案も成立させないという戦術に出た。
 政府は、それならと、改憲はもちろん、長年たなざらしだった法案も含めて成立させ、掛け算改革法を成立させる。野党の希望通り、国政選挙を10回以上やった後でなければ、掛け算法案の改正・破棄をしてはならないという細則も手付かずとなった。

 選挙が行われる。与党は玉砕選挙と呼ばれる情勢の中、悲壮な決意で選挙戦を展開する。直前に野党に流れる議員が続出したのもあって、苦しい選挙戦となる。
 野党は余裕の選挙を展開し、掛け算候補と呼ばれる新人を多数立候補させる。どの野党も、共闘などと一切言わず。大量に立候補させる。

・・・だが、結果は与党の圧勝となり、野党は全滅する。
 どの野党も1票しか得票できなかったからだ。

 1票に1票を足せば2票だが、1票に1票を掛けても1票であり、何回掛けても1票だからだ。与党の候補は、例え2票しか入らなくても、野党の候補をおさえて当選できてしまうという状態だった。

 野党議員には、後出しで、掛け算というのは乗算で、この法案ではべき乗を意味していると言い出して食ってかかる者もいたが、1を何乗しても1ですからと説明されて終わる。これでこの政治家の世間による馬鹿度評価は幾何級数的、いや、幾何級数に悪い、ネズミ算式に上昇する。

 選挙当日から、マスコミ、知識人、野党の間でギスギスした空気が漂いはじめる。
 翌日以降、テレビのニュースキャスターの降板、大学教授・講師の解雇、学校教員の突然の移動が相次ぐ。四則演算を理解していない馬鹿というのが発覚したためだった。

 国会に野党がいなくなり、意味不明な邪魔だてや、中国・韓国・北朝鮮に利するためであるかのような反対をする者がいなくなったため、審議は順調に進むようになり、しかも、与党しかいないという事でかえって自制心が働き、国会審議はわかりやすく、透明なものとなる。

 野党の利権で食っていた業者たちはやりにくくなったが、数が多いわけではないので、多くの人が不幸になったわけでもなく、消えても大した問題はなかった。
 中国や北朝鮮は、野党のあまりの馬鹿さに呆れ果て、金を出すのをやめる。議員でもなくなり、外国からの金ももらえなくなり、路頭に迷う野党が続出するが、同情もされずに浮浪者(ああ、今はホームレスというんだっけね)にしかなれない。さらに、その後は悪質なホームレスとなる。

 掛け算選挙の回数を9回残して野党は消滅する。不平不満オタクはいつの世にもいるけれど、もう集まりそうもない。

 日本はとても良い国になって栄える。


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 ただの思いつきだ。