2017年9月22日金曜日

光州事件とタクシー・ドライバー、そして、日本

 WEDGEというサイトに、ジャーナリストの崔碩栄さんという人が、
という興味深い記事を寄稿している。
 光州事件を題材にした映画がヒットしたことで、光州事件の評価をめぐる論争が起きているという。

 光州事件というのは、1979年10月26日に韓国の朴正熙大統領が暗殺された後の混乱の中で、韓国南西部の光州でデモ隊と韓国軍が衝突し、民間人164人、軍人23人、警官4人が死亡した事件だ。この暴動事件は、今では民主化運動としてとらえられており、「光州民主化運動」と呼ばれているという。
 映画は、事件当時、光州に潜入したドイツ人ジャーナリストと、彼に雇われ、心を通わせる事となるタクシー運転手を主人公としたもののようだが、この2人が誰で、どのような人物なのかに興味が集まった事から、疑問が出て来たらしい。

 実は従来から

「朝鮮総連と韓民統(韓国民主回復統一促進国民会議)が送った御用記者だ」という批判がされてきた。韓民統とは、韓国の朴正煕政府に抵抗するために、当時野党の指導者であった金大中が1973年に日本で在日韓国人らとともに結成した団体だ(結成準備過程で金大中拉致事件が起こったため、結成は在日韓国人 金載華代表代行のもとに行われた)。

 のだという。つまり、親北の金大中の設立した団体が外国人記者を日本から韓国に送り込み、光州事件の記事によって反韓国の宣伝をさせようとした疑いがあった。しかし、この疑惑には裏付けがなく、陰謀論として片付けられて来た。
 だが、ドイツ人記者を空港で待ち構えていたタクシー運転手の名前が、別の大事件にも登場していた事から、疑惑の信憑性が一気に高まった。
 その事件とは、文世光事件だ。
 文世光事件とは、1974年8月15日に、在日韓国人文世光が朴正熙大統領を暗殺すべく、式典の客席から銃を乱射し、大統領夫人陸英修を殺害した事件だ。前大統領の朴槿恵は、この母親の死によって深い心の傷を負い、孤独な人となったと言われている。

 文世光は左翼活動家として、武装闘争の先頭に立っていたらしい。まだ邪推にすぎないが、この男を韓国に送り込んだのが、それこそ朝鮮総連と韓民統であってもおかしくはない。文世光が韓国で使ったタクシー車の所有者が、光州事件でドイツ人を乗せたタクシー運転手だったという。

 光州事件には、北朝鮮の工作員が深く関与していたと考えられる。朴大統領暗殺が突発的な事件であったため、北朝鮮は準備もなく、混乱に乗じての韓国侵攻までは出来なかったが、韓国軍の対応次第では光州暴動が拡大し、北の侵攻まで行った可能性もあった。自然発生的なデモ隊と軍隊の衝突が200人近い死者を出す惨事に発展するなどと考えてはいけない。

 光州事件は、北朝鮮が何をして来たのか、そして、北朝鮮の背後で、支那やロシアが何をして来たのか、彼らの思考はどのようなものなのか、彼らが、万が一の時にどんな事をするのか、私たちが向かい合っているのは、どのような相手なのかを考える大きな手がかりとなる。歴史認識が歪んでしまう韓国ではなく、日本でこそ、より正確な検証が出来るのではないかと思う。

 日本を舞台に、北朝鮮が何をして来たのか、何をしているのか、北朝鮮は日本においても、その秘密戦争を継続的に行っている。すでに仮想ではない敵国となった北朝鮮である。私たちは、脱原発派のようなデマや無知、誤情報に雷同、軽挙妄動に走る事のないように、北朝鮮とその行動について、正確な情報を共有しておく必要がある。

 崔碩栄の記事は必読だ。
韓国映画『タクシー運転手』の大ヒットで浮上した歴史論争」