2021年8月26日木曜日

ガンダーラ陥落。文明の灯火は消えるのか?

タリバンは、反動と言うなら、もう正真正銘の反動だ。しかも、アメリカとの会談を時間稼ぎに使い、結局、約束を反故にする狡っ辛い野蛮人だ。話をするには、鞭で折檻しながら保育園から教育を施すしなさないといけない連中だろう。そんな野蛮人がアフガニスタンを掌握するに至ったのには、ちょっと歴史がある。

アフガンはソ連の友好国だった。だが、政府に反対する勢力が過激化し、治安が不安定化したため、ソ連軍がアフガンに侵攻した。反政府勢力が勢いづいたのは、アメリカがベトナムに供与していた武器をアフガンに送ったためだった。当時はカーター大統領の時代だったかな? 

ソ連の侵攻でアフガンが戦争状態となり、アメリカは、ベトナムの仇をアフガンでとエキサイトした。アメリカは反政府勢力を支援し、パキスタン経由で武器援助を行った。中国製の武器まで送っていた。ロレッタ・ナポリオニによると(「テロ株式会社」未邦訳)、武器の大半は途中のパキスタンで消えたら。

昔々は、日本もアメリカも大使館を置いていた。段々と大使館施設の近くにミサイルが飛んでくるようになり、アメリカ大使館が退去するというので、日本大使館も退去した。

アフガン・ゲリラの戦いで、ついにソ連軍が退却したのだが、今度はゲリラ同士の争いが起こり、とどまるところを知らなかった。アフガン・ゲリラと言っても、部族ごとの部隊が戦闘していただけだったから、ソ連がいなくなって見ると、横で戦っていた奴は隣村で、昔から仲が悪かったという感じだったかもしれない。

アメリカは仲介に手を焼き、結局はタリバンを支援した。部族よりもまとまった勢力だったのか、アフガン・ゲリラの部族を退け、アフガンを掌握した。

タリバンというのは神学生の意味だと聞いたが、後に与太者化し、強姦や強奪をするようになったので、アレ? という感じで見ていた。結局、野蛮人の集団となった。もちろん、こんな程度の低い連中に統治などできるわけがなく、アフガンはイスラム・テロの巣となった。

その後、9/11の後、アルカイダの根拠地だというので、アメリカが、かつてのゲリラを再結集し、北部同盟として立て、アフガン侵攻を行った。

アメリカの猛攻でタリバンは兵員を2割にまで落とし、パキスタン情報部の手でパキスタン内に逃げた。元々ケツ持ちだったんだろう。とすると、タリバンの中枢はパキスタンの工作員、あるいは、協力者と見た方がいいかもしれない。他は野蛮人だ。

そこでパキスタンだ。パキスタンは核保有国だが、パキスタンの核開発には中国、北朝鮮が協力している。パキスタンを介して、中国とタリバンは、かなり前からつながっていた可能性がある。そして、北朝鮮も関係していたかもしれない。北朝鮮は、イランの核開発にも関係しているし、アサド派シリアに派兵している国でもある。

で、今回、タリバンは従来のアフガニスタン政府を倒し、再び権力を掌握したわけだが、野蛮人が文明人になったわけではない。つまり、前回同様、まともな統治などできるわけがない。前は、アメリカも権力を取らせてしまった経緯もあったが、今回はない。資産凍結、経済封鎖をするだけだろう。

アフガンのように、暴力で押さえつけられたら、黙って従うしかない。何の後ろ盾もなく戦うなんて、映画の中だけの話で、今でも、世界中で人々は、ただ黙って従っている。反政府のデモなどがありえるのは、政府が野蛮な暴力で人々を抑圧してしまう国ではない。また、外国の秘密支援がなくては抵抗運動など組織できるものではない。

今後、第三世界のテロ勢力がタリバンとつながり、アフガンに入るようになるだろう。統制など取れるわけがない。

パキスタン、中国、イランが、どんな役割を果たすのか、果たさないのか、彼らの手に負えるのかどうか、遠くから見ているしかない。

邦人を脱出させた後は、我が国は、野蛮国などに関わり合わないでいいんじゃないだろうか。現地は色々可愛そうだけども、本気でタリバンを皆殺しにするための戦争をするというのじゃなければ、人道など通じる相手じゃないんだから。

彼の地には、もう文明の灯は絶えたんじゃないかと思うが、どうなんだろうか?