昔々、商品ヒットの秘訣みたいな、まあ、その商品が売れた理由を取材しなきゃならなくて弱った。色々言っても、全部後づけもいいところで、端的に言って「売れたから売れた。理由なんてあるかどうか、見つからない」としか考えられなかった。そこを後出しジャンケンでも何でもいいから、もっともらしい事を聞いて来るのが仕事だったから、あまり考えないようにしてサエない記事を書いた。
そういうのは続かないもので、すぐにお呼びがかからなくなった。
因果関係というのは難しいもので、データマイニングの世界で有名なオムツとビールの話も、実はこうだったらいいなというレベルの、架空の話だと知って安心した事がある。あんなサエた関係を見つけるなんて凄いと仰ぎ見ていたからだ。
因果関係だけじゃなく、相関関係も難しい。
と、ここから誰かの悪口にでも行くのがひとつの定形みたいなものなのだが、今日は、サエない記事を書いたのを思い出しただけの話。どんな商品か、どんな記事かも覚えていない。
微積分は近似計算をするための手法なんだけど、近似なんていい加減なと、中世の時代には認めない大先生たちがいたという。ニュートンはそんな環境で仕事してた。でも、ニュートン力学で宇宙に行けたりしてるわけだから、厳密先生たちが思っていたほどいい加減ではなかったのだ。
それに比べて、商品ヒットの秘訣は、近くもないし、似てもいない。大体のところでもない。まったくのこじつけか、思い違いだ。それでもヒントを求めて読む人がいたりしたと思うと、少し胸が痛む。
ないです。秘訣なんてないです。理由もないです。
後、1日ちょっとですぐに英語がペラペラというたぐいの学習法。そういうのに飛びつく人は勉強しない人だから、学習法の良し悪し以前に、身につくはずがない。
出来る人は、学校の勉強や、普通の時間がかかる、面倒臭く、退屈な勉強して出来るようになる。速習とか、考えるだけ無駄だ。出来るようになりたければ、自分の勉強嫌いと戦いながら、正面攻撃で勉強するしかない。
世の中って、味気ないもんなんだよ。