北朝鮮は第三次中東戦争、第四次中東戦争でシリアに武器と兵員を送った。その後も、シリアとの武器輸出は続き、今ではイランがシリアを援助する資金で北朝鮮から武器を買っているらしい。
取引されているのは通常兵器だけでなく、化学兵器、核兵器も含まれているという。
これは6日(2018/6/6)『フォーリン・アフェアーズ・トゥデイ』の記事のヘッドラインだが(ええ、つまり、無料で読める部分です)、わりと良く知られているこの話そのものではなく、今、これが取り上げられるのは、米朝会談に向けての事と考えていいだろう。
北朝鮮が外貨獲得のために違法な武器取引を行っていて、それが世界の紛争地域を不安定にしているという事実が、朝鮮半島の安定以上の重要性を持つというのが、北朝鮮が死の商人であるという指摘の含みだろう。北朝鮮は核兵器とミサイル技術を廃棄し、技術者を手放すだけでなく、武器取引を辞める事を迫られる。これに応じなかったり、裏で抜け道を探したりしたら、すべてはご破産となり、アメリカはプランBに移行する事になる。
いつもながら、北朝鮮は色々と醜い言い訳を試みるだろうが、通用しない。
北朝鮮がアメリカに対して心を入れかえ、核と核技術を廃棄し、ミサイルとミサイル技術を廃棄し、技術者を手放し、シリアをはじめとする紛争地域、いや、一切の武器取引をやめ、サイバー部隊を使った攻撃をやめ、情報機関と与太者を使った海外での非合法活動をやめれば、米朝会談は成功するだろう。難しい話ではない。普通の国家になればいいだけだ。
それで米朝会談が成功すればパチパチの大拍手だけれど、それは、アメリカと北朝鮮の話し合いで、二国間外交だ。もし、北朝鮮が日本といい関係を持ちたいなら、また別にお話が必要になる。
もちろん、拉致問題がある以上、それを置いて別の話は出来ない。
米朝会談がどうあれ、世界がどうあれ、日本は拉致問題の解決まで、北朝鮮への制裁を行うだけだ。あたりまえの話だ。