2019年5月12日日曜日

カレンダーの迷路

 連休後、雑談をしていて驚くべき事に気がついた。
 出勤についての話をしている時、ある人が
「カレンダー通り」
 と言うので、
「じゃあ金曜日はお休みでしたね」
 と応じると、
「いえ、カレンダー通りです」
 と繰り返された。
 相槌を打ってその場をしのいだが、どうもその人の定義では、カレンダー通りというのは、祝日はなく、土日だけが休みの事を言うらしいと後で思い当たった。
 こちらの感覚では、カレンダーだと日付が赤く印刷されている日祭だけが休みだというのが「カレンダー通り」だ。どうもカレンダー通りに二通りの解釈があるらしい。
 そこで検索してみると、土曜日が休みかどうかも解釈が分かれるらしい。週休二日が定着したためだろう。でも、「カレンダー通り」と言って、土曜日が休みの会社と、休みではない会社があるらしい。こうなると3通りになる。

 とても基本的な事に、これだけ意味内容がバラバラだと、カレンダー通りという言葉は使えなくなってしまう。
 日本人は「美しい日本語」とか言う時には、雰囲気だけでその気になってうっとりしているが、実際は、平気ででたらめなイントネーションで話していたり、言葉に対して鈍感だ。「カレンダー通り」はその結果のひとつなのだろう。
 日本語は美しいかもしれないが、使っている日本人の多くが美しさを棄損している。