2017年10月11日水曜日

現実に耐えられない腰抜けが嘘に溺れる

 マルクス主義が革命を行わなければ実現できないと考えていた事は、革命なしに資本主義が実現して来た。資本主義はもっと多くを実現したので、比較するのは荒唐無稽なほどだ。革命運動は、資本主義諸国で社会の発展と進歩を邪魔して、不効率をもたらす役割を果たすと同時に、社会にその時点では実現不可能な要求を突きつける人々を生み出し、その人々は問題解決の幅を狭めた。
 その頃、マルクス主義諸国は、様々な失敗を積み重ね・・・失敗と悪行のリスト・・・、軍事を除くあらゆる面で資本主義諸国に遠く及ばず、国民を不幸にしただけだった。

だが、資本主義諸国の中に惨憺たる有り様のマルクス主義を延命させようとする人々が存在して、スターリンを、毛沢東を、レーニンを次々と切り捨てて来た。彼らは真性のマルクス主義思想ではないというのだった。つまり、彼らは中国革命もロシア革命もご破算にし、マルクス主義革命はいまだ実現していないとした。
 マルクス主義を現実の歴史過程から切り離して、いまだ実現していないものとすれば延命できると考えたのだろう。
 よくも今更そんな事を言うもんだ、後出しもいいところだ、冗談じゃねえよと思うが、この場だけ百歩譲ってみる。

 譲った後にまず問題となるのは、それで、今まで実現していないそのマルクス主義の革命とやらに、どんな必要性があるのかという事だ。
 そんなの、別にいらないんじゃないのかと考えるのは、マルクス主義に取り組もうなんてよりも、はるかに自然で筋が通っていると思える。

 また、そのマルクス主義は、当面、研究室から出る事が出来ない運命にあるが、それはどうだろうかという問題もある。
 これまでのすべてのマルクス主義を間違いだと否定する事は、それに関わっていた人すべてを否定する事になる。彼らは間違いに深く影響されていて、間違い陽性だ。それを正しいマルクス主義に近づけたら、間違いの方が正しいマルクス主義に感染し、せっかくの正しいマルクス主義をロシア・マルクス主義に引き戻してしまう可能性がある。
 従来のマルクス主義者は馬鹿ばかりなので治癒の可能性は極めて低い。
 彼ら間違いマルクス主義は、従来の主流というか、それしかいなかったので、外から見たら、当然ながら同類にしか見えない。
 そこで、正しいマルクス主義はロシア・マルクス主義の影響下にある人々の死滅を待つしかなくなる。
 100年ぐらいは待つ必要があるかもしれない。

 他にやる事がないなら、マルクス主義をいじる空虚を止めはしないが、譲るのはそこまでだ。実際はロシア・マルクス主義とその関係者の延命にしかならないに決まっている再評価など、無意味以上に有害だ。浅すぎるぞ。

 そんな所になど未来はない。