2017年10月22日日曜日

国家主義=国粋主義という間違い

 浜矩子という人が、毎日新聞に書いた意見で、
「民主主義対国粋主義」
 と書いている。
 困ったな、無教養だな。
 明治時代、薩長藩閥政府に対して、粘り強い活動を展開し、選挙実施にこぎつけた民権運動から国粋主義が生まれた。
 こうした流れを分けて見る場合、日本では、政府を国権派、民権運動を国粋派とするのが歴史を踏まえている。
 国権派は欧米に学べと、国費で優秀な者を留学させた。この人たちの中から、愚劣な欧米かぶれが出て来て、何だこの馬鹿はという反発から、国粋主義が生まれた。国粋主義は国家主義ではなく、日本文化を大切にする以外、日本人のありようはないだろう。日本人は日本文化を発展洗練させ、高度化するしかない。何でも欧米のものをありがたがるのは、さもしい後進国根性でしかないという考えだ。
 国権派も国粋派も、もちろん、愛国派だし、尊皇攘夷というところも共通するから、そのあたりで混乱があるのかもしれない。
 でも、愛国者、即反民主主義ではないのは誰でもわかると思う。
 尊皇攘夷だから、反民主主義という事も言えないのも理解できるはずだ。
 共産主義は愛国ではなく、尊皇攘夷でもないが、一党独裁の全体主義国家を形成するから、選挙で民意を問い、指導者を選出する民主主義ではない。共産党は民主主義という言葉を、「自分たちに都合がいい」という意味で使うだけだから、民主主義でも何でもない。民主主義的な選挙で、ほとんど選ばれないのはあたりまえだ。

 大体、今、国粋主義者っているの? 俺、自分を含めて2人しか知らないよ。

 国家主義=国粋主義というのは、戦後にはびこった大きな間違いだ。