2019年6月9日日曜日

今だと77歳じゃ、まだ早い気がしてしまう

ドクター・ジョンが死んだ。

本名はマルコム・ジョン・レベンナック・ジュニア。
有名なブードゥー教の呪術師ドクター・ジョンと自分の名前を重ねてドクター・ジョンを芸名にしたブルース歌手。

ブードゥーはキリスト教の一派で、西アフリカの信仰とキリスト教が習合したものと思われる。アメリカ国内では、南部を中心に広く根付いている。「トゥルー・ディテクティブ」というテレビ・シリーズでスワンプ地帯のブードゥー信仰が背景になっている事件が扱われている。
西アフリカでは、ブードゥーの元になった呪術信仰を禁止しようとした政治指導者が呪い殺された後、禁止の動きはない。
「ゾンビ伝説」という映画で、ハイチのブードゥーがよくとらえられている。ゾンビ化はブードゥーの呪術のひとつとされている。
クリント・イーストウッド監督の作品『真夜中のサバナ』もブードゥーを扱った作品で、傑作。

ギタリストだったが、1961年のクリスマスイブに手を撃たれ、最初はベースに、それからピアノに転じた。
エタ・ジェームスの舞台だったか、アラン・トゥーサンがピアノを弾いていたショーで、ドクター・ジョンがギターを弾いている映像がある。無表情なドクター・ジョンにしては珍しくとても嬉しそうにしていた。

ピアノストとして数えきれないセッションに参加している。
若い時にジョニー・ウインターと共演している映像があって、これもすごくいい。

心臓発作で死んだドクター・ジョン、77歳だった。

残り少ない巨星のひとつが墜ちた。また、空が寂しくなる。