2018年9月11日火曜日

二枚目の舌のメッセージ

 ロシア・マフィアや中国の犯罪組織が北朝鮮と密輸貿易しているという指摘が古川勝久という人の書いた『北朝鮮 核の資金源』という本にあった。
 ロシア・マフィアは情報機関FSB(旧KGB)の支配下にあり、ロシア・マフィアが制裁破りで北朝鮮を経済支援しているとしたら、ロシアが制裁破りをしているのと同じだ。中国も同じで、大きな犯罪組織は共産党の支配下にあり、共産党を共産幇と呼んでいるそうだ。

 これは何も珍しい話ではなく、アメリカでは、1970年頃までマフィアとCIAが関係していたというし、映画にもなったフレンチ・コネクションはフランスの情報機関がマフィアに供給したアヘンをアメリカに密輸するルートだった。フランスがベトナムで戦争していた時に、ホー・チ・ミンが山岳少数民族に強制して作らせた麻薬をフランスが買い取り、マルセイユを経由してアメリカに送り出したものだ。

 ロシアでは、チェチェン独立軍がチェチェン・マフィアを使って麻薬を売っていた。チェチェン軍がロシア・マフィアを掃討し、空いた縄張りにチェチェン・マフィアを入れたという。

 中南米では、キューバがカルテルと取引をし、アメリカへの薬物密輸の基地になっている。キューバは、中南米の左翼ゲリラを介して、カルテルに軍事サービスも提供して来たようだ。また、ロシア製兵器のゲリラ軍への卸販売も行っている。最近では、ベネズエラと一緒になってニカラグアに特殊部隊を派遣し、デモ参加者の狙撃などの活動をした。ベネズエラは、確か、ロシアから新しいカラシニコフ突撃銃の生産ライセンスを取得している。共に独裁国家という事もあり、武器供給でキューバとは密接な関係なのだろう。

 戦費稼ぎに麻薬はよく使われている。そのため、武器売買と麻薬売買のルートは重なる。そこに、人身売買が入る事もあるようだ。
 文書資料を総合するとそうなるが、実際に調べると確実に死ぬ事になるので、自殺願望のある人は調べてみるといい。

 ともかく、軍隊や諜報機関は犯罪組織を使う場合があるが、今のロシア・マフィアはFSB職員がトップとして天下りするのを受け入れる組織だけが存在を許されている。独立志向のマフィアは殺害されるか、国外逃亡したという。関係が深いなどというものではなく、一体と言っていい。FSBの前身KGB出のプーチン大統領は、表の権力と裏の権力の両方を掌握しているわけだ。
 また、中国を支配している中国共産党が歴史的犯罪組織幇の側から「共産幇」と呼ばれる状態であり、犯罪組織が表の権力を掌握していると言っていいだろう。
 犯罪組織が制裁破りをしているというのは、ロシアと中国の政府が裏で制裁破りをしているという事になる。

 ロシアも中国も、二枚舌の国だが、彼らは二枚目の舌で北朝鮮を支援している。