2021年7月14日水曜日

あのお、民主主義って、共産主義の事じゃないからね

ロシア革命がレーニン派によって乗っ取られた後、外にはそのあたりの事情がわからなかったため、ボルシェビキ支持者が西欧に発生した。大量発生した共産主義者は、よくわからないままロシアを支持し、自分も共産主義者なんだという意識に酔った。

この共産主義者は、第二次大戦直前、ファシストやナチスが物凄い勢いで台頭する中、ほぼ転向し、自国のファシスト党員になった。日本に潜入していたロシアのスパイ、ドイツ人のゾルゲは一味の同志たちが、みなナチスに傾いて行くのを知り、焦燥にかられていたという。

イタリアのファシスト党は、元々、左翼のオルグ活動家だったムッソリーニが左翼運動に限界を感じて作った党だった。左右の激しい抗争があり、右翼のファシストたちが勝利したなどというのは虚妄の言説であって、実際は、共産主義者の多くがファシストになり、権力を手にしただけだ。

アメリカではドイツ移民が多数派という事もあり、戦前は親ドイツ=親ナチス運動が大きなうねりとなった。アウシュビッツなどは、戦後まで知られなかったため、ナチスを悪魔視する事はなかった。

ロシア革命は、第一次大戦中にドイツが、敵国だったロシアでの工作として支援したもので、レーニンの「反戦」は、ドイツへの利敵行為を言い繕っただけのものだった。そんな調子だったから、ドイツとソビエト・ロシアの関係は良好で、第二次大戦前、ドイツ軍がベルサイユ条約破りの軍事演習をソ連領内で行っていたという話もある。革命後にボルシェビキ政権の樹立を支援したドイツとソビエト・ロシアの関係は、軍事も含めて良好だったと見ていい。

独ソ不可侵条約を締結したりして、仲が良かったにも不思議ではない。それなのに、戦局も厳しい時に、ドイツがソ連に攻め込んだりした。ヒトラーが血迷ったとか、色々言われているが、スターリンが英米に寝返りを決めたのを、革命時から関係の深かったドイツが察知したのかもしれない。共産党と各国のファシスト党は元々一緒だから、人的なつながりで情報が漏れた可能性もあり、また、ドイツがスターリン周辺に工作員を埋め込んでいた可能性もある。

また、ソ連参戦後、スターリンはソ連軍の粛清をしているが、それはソ連軍内のドイツ派の粛清だったかもしれない。ソルジェニツインはとばっちりでシベリア送りにされた可能性もある。

戦後、イタリアとドイツの敗北で、西欧のファシストは雪崩を打って再転向し、共産党に戻った。イスラエルは、元々、ユダヤ人の共産主義者が多かった事から、そういう人物の情報を入手し、告発するぞを脅し、ユダヤ人の大量出国を助けさせたという。


日本で、共産主義から転向した人々は、戦時中は国策に乗って戦争協力していたが、やはり戦後に再転向し、共産党に入党した。彼らは本当は「一党独裁」信者だったが、占領軍の意向に同調して「民主」の皮を被った。もっとも、共産主義者、左翼リベラル派の「民主」は自分たちが気に入ったものという意味で、正しい定義に基づく「民主主義」ではない。

自分たちと考えが違うと「非民主的」だと非難するのがその証拠だ。「民主」=「共産」だと思っているわけだ。凄い独自性だな。

でも、社会主義国=共産主義国は、どこも失敗国家であり、独裁国家であり、軍国主義だから、今後、共産主義国になるのは、共産主義国に侵攻され、占領された国だけに決まっている。その意味では、共産党も、共産党と共闘とかできる、疑似リベラル=左翼リベラル政党も、カケラほども未来のない集団でしかない。

まだ、共産主義の虚妄、左翼の妄想にしがみついている者たちもいるが、一顧の価値もない。もう終わった問題であり、通り過ぎていい。


当面の主要な政治問題は、共産中国の横暴と冒険主義、軍事的拡大をどう打ち破るかであり、自民党に浸透した中国派勢力をいかに駆逐するかだろう。