2018年2月1日木曜日

タンパ・レッドの言葉

自分にできることをやれ。できないことは、考えるな」

 タンパ・レッドが、アーサー・クルーダップに言った言葉。(ウィキペディアのアーサー・クルーダップの項参照)

 タンパ・レッドはボトル・ネック・ギター奏法の名手として名を馳せたブルース・マン。アーサー・クルーダップ(あだ名はビッグ・ボーイで、アーサー・ビッグ・ボーイ・クルーダップ(Arthur "Big Boy" Crudup)なんて呼ばれたりする)はエルビス・プレスリーが憧れたブルース・マンで、エルビスのデビュー曲の「ザッツ・オールライト」はクルーダップの曲だ。「ロックン・ロールの父」とも呼ばれたが、不遇で、農業労働者として働きながら音楽活動を続けた。
 エルビスは、自分がクルーダップの境地に達したら、誰も聞いた事もない音楽が作れるのにと言っていた。エルビスはクルーダップの曲を3曲もとりあげている。

 プレスリーのバックボーンはゴスペルとブルースで、プレスリーが出現しなかったら、アメリカ音楽はカントリー一色になっていて、ブルースなんて知られる事もなく消え去っていたかもしれない。人種差別団体のKKK団(クー・クラックス・クラン)が、黒人音楽を広めているプレスリーを狙った事もある。

 出来ない事をなくそうなんて考えずに、出来る事だけに集中しろというのは、とても現実的でいい教えだ。何でも出来るなんてのに意味はない。リソースをどこに振り向けるかの決断はとても重要だ。
 昔、学校で抱負をと聞かれたから、得意な学科をもっと伸ばしたいと言ったら、これとこれが成績悪いから、先にそれを何とかしろとダメ出しをされた。罠だった。言わせといてそりゃないだろ。中学生はうんざりした。人の気持ちを台無しにする教師はとても多かった。どうも、教員というと軽蔑してしまうのはそんな体験からだと思う。あいつら、きっとみんな日教組だな。

 タンパ・レッドはいい。出来る事に取り組むだけだって大変だ。出来ない事になんてかまっている余裕はない。苦労人の言葉だ。