2020年5月11日月曜日

路上という魔界

道で売ってるマスクを買ったら粗悪品だったという人がいるようだ。

昔は万年筆なんかでそういうのがあった。
道で万年筆を売る男がいて、人が集まっている。
「小岩の工場が焼けて水をかぶった物だ。元々は輸出用で品はいいし、水をかぶったと言ってもちょっとの事で問題はないんだが、出荷は出来ない。そこで、今日は特別に2本で〇〇円でお分けしたい」
てな事を言って(小岩の下りは赤瀬川源平がネタにしてたヤツ)、間違いのない品を証明するために(今で言うエビデンス)、万年筆をライターの火であぶって見せる。
そこらで、
「おお、じゃあ、2本セットを2つもらおう」
という人が現れ、それにつられて、じゃあ俺も買うという人々が続く・・・

もちろん、その万年筆は間違いのある品で、インク漏れがひどくて筆記用具の用などなさない。当然。

トルコのイスタンブールで路上で体重を計る商売をしている人がいた。体重計を置いて、そこに客を乗せ、数字を読むというビジネス・モデルだった。
イスタンブールでは、他に、空になった使い捨てライターにガスを注入する路上ビジネスもあった。
イスタンブールの路上ビジネスは、万年筆なんかとは比べものにならない堅実さだった。

という事で、道マスクは万年筆に近いもののようだ。

そのマスク、ライターであぶってなかった?