2020年10月22日木曜日

素人軍談

 核兵器騒ぎが下火になっている北朝鮮情勢なので、感情を刺激する要素も少ないだろうから、北朝鮮が開戦に踏み切る可能性を考えてみる。

結論から言えば、北朝鮮の経済を見る限り弱体で、戦争を支える国力があるとは思えない。ロシアか中国の支援がなければ開戦に踏み切る事はない。戦争は金がかかる。

中国やロシアが北朝鮮に戦争をさせる時には、自国が戦争する意図がある時になるが、今のところそうした様子はない。したがって、支援のない北朝鮮が戦争するとは考えにくい。

北朝鮮が開戦に踏み切るとすれば、祖国統一を錦の御旗として、韓国の富の略奪が目的となるだろう。支援を受けるにしても、韓国を飲み込んだ後ならば今よりは胸を張って、有利な支援をとりつけられるだろう。

日本攻略は半島の武力統一の後になる。そうでなければ韓国に弱い腹を見せる事になる。

今の所は、核を含めた北朝鮮の兵器は、北朝鮮最大の輸出品だ。突然の夜間軍事パレードも、観閲している人物を隠すための事と思われる。中国の力が強い国連が、支援の必要があると訴えているアフリカの国の関係者が、商談の機会であるパレードの招待席にいたとしたら、支援は武器購入にあてられかもしれないと考えてみた方がいい。

武器販売には、兵器の取り扱い訓練をはじめとする軍事サービスが必要になる。北朝鮮は各国の兵士を訓練する施設を国外に持っていると思われる。そうした拠点は、北朝鮮の直接の軍事ビジネスの拠点でもあるだろう。

今ならシリア国内にそうした施設があるかもしれない。

当面、ビジネスに忙しい北朝鮮だろうけれども、いつまでも続くわけではない。韓国侵攻、日本攻略といった行動の可能性が高まる時が来るかもしれない。

韓国がどうするか、その時になってみないとわからないが、過大な期待は出来ないだろう。朝鮮戦争の時、ロシアの支援を受けた北朝鮮軍が攻め込むと、電撃的な前進を許してしまった国だ。米軍を中心とした当時の国連軍が巻き返さなかったら、38度線も危なかった。

中国は、おそらくロシアの指示があったためだろう、北朝鮮に援軍を出した。

援軍と言っても、指揮官だった林彪は、素手の農民を無理やり突撃させただけだ。そして、捕虜にした国連兵を収容所で虐待し、洗脳した。そうした中国による洗脳捕虜を指す「manchurian candidate」という言葉があるが、今では英英辞書にも載っていない。

今、当時よりもロシアや中国、北朝鮮の正体が露わになり、色々な事が鮮明に見えるようになった。怠りなく備えをするためにも、何があったのかを知るべき時だ。歴史を知り、相手を知り、必要な準備、行動を想定しておかねばならない。相手を侮り、無知でいる事は致命的なしっぺ返しを招くだろう。

歴史を知る事は、今の韓国人には無理だろうが、日本人、台湾人には可能なはずだ。日本で歴史をまともに知り、検証できないのは「史観」を持った人たちだけで、これは一部警戒すべき者を含むが、ほぼ無視していいほどに減少した。

当面、北朝鮮の開戦はないと考えていい。国力がないからだ。だが、将来はわからないし、この当面を準備が出来る時間と考えるべきだろう。けっこう重要な時期だ。