2020年10月9日金曜日

中国は古代のまま今に至った

中国、コロナ後に色々と酷い事をやり始めたかのような印象があるし、今、コロナとスパイ行為と人権問題で西側先進諸国から警戒され、見捨てらつつあり、追いつめられているように見えるけれど、本当はコロナ前から状態が悪かったんじゃないかな。

オーストラリアへの沈黙の浸透は随分前からやっていた事だし、台湾国民党への影響力の強化も前々からの事だ。カナダでの傍若無人な行動も、EUでの勝手なふるまいも、やはり以前から続いていた。

トランプ政権になってから、オバマ政権ではたな晒しだったそうした問題に手が付けられるようになり、内々では対中政策の転換が醸成されていた。アメリカは率先して新しい対中政策を推進し、米中対立と言われる事態になっていた。

その背景のひとつには、中国がロシアと組んだイランの核開発もあった。また、一帯一路という名の経済侵攻政策もあった。

中国人はアメリカが大好きだし、アメリカも中国を何とかしようという意志があった。蜜月と言っていい関係の時期があった。しかし、それが20年以上続いたあたりで、アメリカが何かおかしいと感じるようになった。はじめは微かな感覚が、次第に迷いとなり、最後は確信になっていった。中国人はアメリカが好きなままだ。何故かと言えば、悪夢の毛沢東時代から、アメリカのおかげで脱出し、今の豊かな社会になったのだ。中共は、アメリカと仲良くしていればこそ、何とか国民、いや、人民の支持をとりつけていられる。だから、今でも、中国国内では、中共はアメリカと仲のいいフリをしていると思える。そういう嘘と意識操作こそが中国共産党の政治の神髄だ。

もちろん、そういう米中蜜月は破綻した。それはコロナより前だ。そして、今はコロナで見えにくくなっているが、早晩、その現実は人民の生活に跳ね返って来る。

中国は現実が露わになる前に手を打たねばならない。あえて香港に手を付けたのもそのためだと考えられる。アメリカとの関係の破綻は一国二制度の破綻でもある。香港を野放しにしておく意味はなくなった。中国内部から見れば、香港は自由だ何だと贅沢を言っている事になる。また、香港人は都会のすれっからしで、本土を田舎だと小馬鹿にもしていた。おそらく、中国本土の人民は、香港の自由に何の興味も持っていない。香港の雨傘運動に始まる果敢な抗議活動に敬意を表す事に躊躇はないが、あの動向が世界に友を持つ事はあっても、中国では孤立せざるをえないと思う。そして、そんな事も考慮せずにあの運動を持ち上げ、煽った者たちを軽蔑する。

米中は、戦火を交えない戦争に入っている。そして、中国の弱体化は始まっている。中共は国内を徹底して締め付けなければ権力を維持できなくなると判断しているはずだ。危険な状態にあると言っていい。いつ、どこで暴発するかわからない。インドか、台湾か、あるいは、別の場所かもしれない。

今、暴発をおさえているのはアメリカの大統領選挙とコロナだ。それが終われば、中国の現実が誰の目にも見えてしまう。

嘘に嘘を重ねて築き上げて来た中国の経済は、すでに後戻り出来る地点を過ぎた。西側先進国企業の研究・技術の窃盗なしに技術を発展させる方法はない。今から基礎研究を始めても、永久に追いつけないだろう。窃盗なしの先端技術など、中国にとっては蜃気楼だ。そして、莫大な借金を抱えた経済がある。中国マネーなど幻だ。アメリカが騙されていてくれなければ、中国経済などまったくサスティナブルではない。もちろん、中国市場も消滅する。中国がいくら広大で人口が多くても、都市部にしか市場はなかった。そして、その都市部もいつまで市場でいられるかわからなくなっている。

今中国にあるのは軍事だけになる。だが、軍事を支援する経済は衰退しつつある。中国にとってはまさしく危機だ。この状態が危険なのは誰にも明らかだろう。

中共は世界第2位の経済を持つ国家となった。軍事力も飛びぬけている。しかし、中国経済には粉飾と隠ぺいがあり、どれだけの実質があるかわからない。おそらく、かなりひどいのではないか。また、軍事力も、凶暴ではあるが、正規軍がベトナム民兵に敗退した中越戦争の頃よりは向上しているだろうが、実力はわからない。

孫氏の国だけあって、スパイ網は強力で世界に張り巡らされており、左翼政党と、それに迎合する自民党内勢力のおかげでスパイ防止法のない日本などは、かなり情報を抜かれていると考えるべきだが(さっさと多数決をとってスパイ防止法を成立させればいいのに、多数決を強行採決と言い換える左翼や左派マスコミの顔色でも見ているのか、自民党はその仕事をしていない)、官が圧倒的に強く、民などないと言っていい中国では、民間企業も国の機関であり、企業が国のためにスパイ活動をしているという事を、なかなか理解できなかった自由主義の西側先進諸国も、やっと共産主義の非文明性に気がつき、中国のスパイ企業、企業のスパイ活動を排除しはじめた。日本を筆頭に、まだまだ動きが鈍いが、もう後退する事はないだろう。それにしても、中国スパイ網は、中国軍打撃群の数倍の破壊力を持っていると考えていい。

中国の問題として、農業と食料がある。経済が都市で発展して来たためか、農村部は無視されて来た。共産主義国はたいてい農業指導に失敗するが、護教性で硬直し低水準のままの共産党政治しか頭にない共産主義者に農業という高度なものの指導などさせるためだ。中国農業の生産性も低いだろう。食料を輸入に依存している。食料問題では、いつ毛沢東時代の悪夢が蘇っても不思議ではない状態を続けている。

全体として、中国はすでに経済の縮小に直面していると見ていいだろう。都市部の経済が後退する上に高齢化問題も待っている。真面目に努力していれば優遇してくれていたのに、ズルばかりして対米関係を失敗したために経済関係を次々と切断されている。関係が悪化したために経済に陰りが出ているが、コロナの発生で、何が根本的な原因なのか、米中関係のせいか、コロナのためかわからなくなっている。因果関係が見えなくなっているのである。

おそらく、コロナの影響は一時的だし、軽微なものだ。米中関係の変化が根本だと見ていい。アメリカが好きで憧れている中国人が、経済崩壊のただなかでアメリカや西欧に忌避されたのを知り、中共政府がそれを隠し続けているのを知る事になる。


中国は、危機にあり、周囲からすれば危険な状態にある。これは、古代から続き、中共で終わる長く迷惑なエピソードとして、やっと、味気なく終わる兆しかもしれない。

それが、古代の感覚を持って現在に至ってしまった中国の終わりでなければ、人類は、まだ悩まされる事になる。