2020年10月30日金曜日

習近平の憂鬱

 習近平は上がってくる嘘の報告に頭を悩ませているかもしれない。良さそうな事は針小棒大に数字が盛られ、悪そうな事は徹底的に過小評価されるか、ない事になっている。

そんな事はわかっているし、これを発表しなければならない辛さ、恥ずかしさは並大抵ではない。しかし、いくら嫌でも、本当の事を知る術はない。渡される報告はこれだけなのだ。選択できる贅沢など存在しない。いくら辛くても、恥ずかしくても、世界に向かって嘘を公表し、胸を張って見せなければならない。

経済だって上手く行っているわけではない。そんなものは見せかけで、みんなで嘘をつき、その嘘の上に乗って立っているだけだ。トランプが経済摩擦を作り出してくれたおかげで、アメリカのせいに出来るが、中国経済などボロボロなのだ。

日本ではねずみ講というらしいが、中国のやっている事はそれを広げた上に、幾重にも重ねているだけだ。1人から1元取ったとして、全中国人を騙せば何億元にもなる。その金が回って行く。一国二制度というのは、詐欺経済と資本主義経済の事だ。

詐欺で騙した者は入ってくる金に興奮し、騙された者は詐欺話に興奮する。そして、騙された者が次は騙す者となり、騙した者は騙される者となる。興奮は2倍にも3倍にもなって行く。そして、その都度、儲けも2倍3倍となる。元の金は同じなのに話の金額だけは上がって行く。興奮と一緒にだ。

いつから中国では1元を数億元と数えるようになったのか? ともかく、これは指導者の罪ではない。

こんなおかしな事がそんなにいつまでも続くとは思えないが、止めれば、そこで国が倒れる。止める事はできない。続けるしかない。おかげで、あいつらの悪事を取り繕う役目はこっちに回って来る。

一人っ子政策を考えついたのは中国軍だが、中国人を増やさないためにはいい政策だった。これは人類に貢献したと言っていい。世界は中国に感謝すべきだ。

生前、毛沢東が世界でもてはやされたのはそれかもしれない。毛は沢山の中国人を死なせた。蒋介石も平気で中国人を殺したが、山賊毛沢東も大勢殺した。朝鮮戦争でも集めた中国人を素手で突撃させた林彪は毛の片腕だった。大躍進と文化大革命の飢餓でも中国人はバタバタと死んで行った。毛の失敗は中国人の血で贖われた。それで毛沢東は賞賛されたに違いない。毛語録は中国人を殺すための書だったのか。

戦争と言えば、人民軍は相変わらず勝手な事をしている。アメリカを挑発して何になると言うんだ。愛国を振り回して英雄気取りになって・・・今やすべてが戦争だ。中国は世界中に戦争をしかけている。これを超限戦と言うらしい。こんな事を言いだした軍人は馬鹿者だ。

事を起こしたら、後始末はこっちに回って来る。交渉し、譲歩し、終わりにする。馬鹿どもが勝手をしてこっちも困っているとも言えず、そこは中国の領土だとか、図々しい事を言わねばならない。そういう下品な事は嫌いなのだ。

企業経営者どもも酷いものだ。先進国企業の技術情報を平気で盗用している。中国企業が製造しているのは盗作ばかりだ。教養もなく、根気もなく、地道な基礎研究など出来ない。だから人の技術を盗む。だが、それがわかっていても、表立っては独自に開発した技術で、盗用などの犯罪はわが国では厳格に罰していると言わなければならない。盗人どものために、言いつくろわねばならない。屈辱だ。

共産主義国家では、「人民」という言葉が「党」という意味を持っている。党は人民の代表だから一緒になるという理屈だ。党というと上から無理やりにやらせているような印象になってしまう時、つまり、本当の事がわかってしまう場合に、「人民」と言う。

だから「人民のためになる」と言ったら「党のためになる」という意味だ。これで党幹部は富を手にし、一族を豊かにし、王侯貴族の生活をしている。「人民軍」も「共産党軍」だから同じだ。人民軍幹部は党幹部でもある。

この人民の代表ども、いやさ、党幹部どもが面倒くさい。欲に目がくらみ、金と力のためなら何でもする亡者だ。企業経営者はこいつらの子供や一族の者たちだ。報告を上げて来るのも、あいつらの手下たちだ。

どんな政策を打ち出しても、あいつらは群がって、そこから利益を引き出そうとする。そして、こっちが何もしなくても、勝手な事をして、やはり利益を引き出している。臓器売買、人身売買、薬物取引、武器売買、密輸、サイバー犯罪と、詐欺だけでなく、何でもやっている。

イランの核開発や一帯一路といった人類に貢献する平和外交も、あいつらが横やりを入れて利権にしている。

イランが核兵器を持てば、大文明ペルシャがベドウィンに睨みをきかせ、中東地域は整然と平和になるというのに、あいつらは金儲けしか見ていない。

中国がロシアやイランと一緒になってシリアを支え、汗をかいている時に、傭兵や武器売買で儲けようとするのがあいつらだ。

一帯一路で有無を言わさぬ影響力を世界に広げ、平和をもたらそうというのに、アフリカでみみちい低価格携帯を使ったスマホ詐欺をしでかしている。まったく理念に欠ける者たちだ。中国共産党は、泥棒の集まりと言っていい。

だが、そんなやつらでも、中国人を統治するのには必要なのだ。

確かに、この盗人どもは正真正銘の中国人代表だ。中国人の腹の底を見たければ、こいつらを見ればすぐにわかる。時々、恐ろしくなる。この恐怖をはねのけるためには、それ以上に恐ろしい存在にならねばならない。

人一倍努力して今の地位に這い上がった。だが、中国など捨ててアメリカに移民し、小さい商売でもやりながら中国を批判でもしながら生きていた方が良かったとつくづく思う。

私は世界中で嫌われている。そのくらいはわかっている。だが、中国をこの程度にとどめているのは私だ。世界は私に感謝していい。


習近平はさぞや憂鬱な毎日を送っている事だろう。何せ、中国人を使って、中国人を統治しているのだから。