2018年4月17日火曜日

ロシアの人権無視が、世界の不安定要因となる

 ロシアで、またジャーナリストが殺害されたかもしれない。

 4月15日に中部エカテリンブルクの地元メディア記者マクシム・ボロジン(32)は、4月15日に自宅アパート5階から転落死したが、彼がロシア民間軍事会社のシリア内戦への関与を調査報道していた事から、暗殺の疑いが持たれている。
 ボロジンは、ロシアの民間軍事会社ワグネルが派遣したロシア人傭兵がシリアで虐殺を行ったとされる問題を追っていた。
 捜査当局は「事件性なし」としているが、欧州安保協力機構(OSCE)は「深刻な懸念」を表明し、捜査の徹底を求めたという。
(時事通信より、「ロシア人記者、自宅から転落死=シリア問題で調査報道」)
 
 ロシアの民間軍事会社は、非公式ロシア軍と見ていいだろう。正規軍ではやれない仕事を「民間」の皮を被った別働隊にやらせるというだけだ。ワグネルを調査すれば、ロシア軍かFSBのつながりが出て来て、それはプーチンまで及んでいるだろう。
 しかし、日本だったら報道記者の暗殺なんて考えられない。それは、日本に優秀な記者がいないという事でもあるけれど、日本は、ロシアほど抑圧的で陰湿で暴力的で秘密に閉ざされていないからだ。権力の質がまったく違う。
 プーチン体制は共産主義を継承しているが、虐殺部隊の派兵を直接ではなく、「民間会社」を使って行わねばならないあたりにしか違いが見受けられない。ロシアは、あまりにも深いソビエトの暗黒を引きずっている。