2018年4月5日木曜日

共産主義のジレンマ

 レーニンのボルシェビキ派は、アナーキストが起こしたロシア革命を横取りして権力を握った。それはドイツにもらった金があって出来た事だった。
 スペイン内戦では戦闘に従事していたアナーキストに、ロシア派の共産主義者が襲いかかり、やたらと処刑してしまったため、フランコの反乱軍が勝利してしまった。
 このあたりで、共産主義が革命運動の主流となってしまったが、そのおかげで、それまで革命運動を主導して来たアナーキストが力を失った。そして、革命運動そのものがサークル活動になってしまった。
 共産主義は、誰かが革命を成功させるところに行って内ゲバをしかけ、それを横取りする方式だから、アナーキストがいなくなると革命も出来なくなった。
 支那では、孫文の国民党が革命を起こし、そして、日本との抗争を始めた。
 毛沢東はそこにつけこんで、国共合作などと蒋介石をたらしこんだ。だが、抗日戦争は国民党にやらせ、共産党は合作しているはずの国民党軍を後ろから攻撃する事に終始した。
 つまり、支那共産党は国民党をアナーキスト代わりにして、支那革命を横取りする事に成功したわけだ。
 それ以後の革命は、ロシアによる帝国主義戦略で占領統治、属国化した国々、支援工作によって属国化した国々があったぐらいだった。

 共産主義の成功体験は、共産主義革命が起きる余地をなくしてしまった。それは彼らにとってジレンマだと思うが、上から見下して言えば、彼らには自覚するだけの知能がないだろう。
 ま、そもそも、革命といった不効率はもう必要とされなくなったのだから、私たちにとって、そのジレンマはまったくの他人事でしかなく、問題でもないからいいんだけどね。