2018年5月20日日曜日

味わうべき嘘を嘘というのは無粋だね

 日本の建国神話をわざわざ嘘だと言い立てる人たちが、昔はいた。もしかしたら、今もいるかもしれない。標本にして博物館に入れるといい。
 建国の話なんて、どこでも嘘に決まっている。
 かつてのソビエト・ロシアは、マルクス・レーニン主義の革命をでっち上げて見せた。実際に革命にこぎつけたのはアナーキストで、ボルシェビキは革命が成功した後にしゃしゃり出て、図々しく横取りしただけだ。でも、あれからアナーキストが劣勢になってしまったため、マルクス・レーニン主義者たちは横取りする革命に事欠くようになってしまった。
 支那の中共は、日本軍と国民党軍から逃げ回っていただけだったが、やっと国共合作にこぎつけて一息ついた。国民党軍からは攻撃されなくなったからだ。それで、日本軍と戦っても勝てないから、国民党軍を後ろから攻撃するのに専念した。足を引っ張るだけの中共に腹を立てるのは当然で、第一次国共合作は失敗した。でも、日本軍に押されるだけの国民党軍は、苦し紛れか、第二次国共合作に踏み切り、中共はあいかわらず後ろから国民党軍を攻撃した。
 つまり、中共は抗日戦争なんてしないで、後ろから国民党軍を攻撃していただけだ。

 まあ、建国のお話は、祝賀の飾りだから、嘘だ本当だを超えたところで良いのがいい。
 そうしてみると、革命だ、抗日だと面白くもないみみっちいのより、原初の国生みなんていいじゃないか。
 嘘か本当かではなく、どうせならどういう嘘かが大切だという話で、これを世知辛くすると統治論になり、情愛に絡めると、誰か上手い、嘘のつける・・・みたいなのになる。

 ま、そういう事はともかく、日本神話は味わい深い。